青空の虹
知らないわけがない。

象でしょ?

あのパオーンと長い鼻をくねらす生き物。


「象、見たかったの?」


「うん。だから失敗だったね。」


「失敗?」


「象がいる動物園にすれば良かった。」


真顔で………。

でも、どこか、無理して……。


「そうだね。次はサファリパークとかにしちゃう?」


「サファリパーク?…………うん。そうしよ。」


やっと笑った。

笑って、掴んでいた腕を離した。


「帰ろ?」


笑ったまま、何でもないように言う。

だから、俺も、何でもないように言う。


「帰ろっか。はい、どうぞ。」


昔から憧れていた俺の愛車、ミニクーパーの助手席を開けた。




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