ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】

今の今まで、後ろに居たはずだ。


でも、少なくとも、見える範囲に二人の姿は無い。


「どうしたの、お姉ちゃん?」


「え? どうって、後ろに居たお兄ちゃんと猫が……」


いや、違う。


居ないのは、二人だけじゃない。


少年と手を繋いでいたはずの、幼い妹の姿も消えている。


そう。


文字通り、忽然と消えたのだ。


それだけじゃない。


確かにこのアパートには人の気配が無かった。


でも、通りには車や通行人が行き交っていたし、そこには、生活の様々な『ノイズ』が存在していのだ。


それが、今、ここには何もない。


あるのは、無機質な冷たい空間と――。


「お兄ちゃんと猫? そんなの、始めからいなかったよ?」


少年が、


今まで少年だったモノが、ニッコリと口の端を上げた。

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