ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】
ゴロゴロゴロゴロ――。
――うそっ! この音は、まさか……。
意外に近くで大きな雷鳴が響いて、茜は布団の中で固まった。
カッと、窓の外が明るくなったと思った、きっかり三秒後。
地響きと共に特大の雷が鳴り響いた。
「きゃっ!?」
思わず布団から飛び起きて、枕を抱える。
どこか近くに雷が落ちたのか。
次の瞬間、部屋の灯りが全部消えてしまった。
やだ。
よりによって、なんで雷が鳴るわけ!?
子供の頃から雷が大の苦手なのだ。
雷が好きな人間は少数派だろうが、茜の場合は怖いのだ。
どうしようもなく恐怖を感じる。
落雷が怖いのもあるが、あの神経を逆撫でるような『轟音』も生理的にダメだった。
おなじ理由で、飛行機の音も雷を連想させるので苦手だ。
ぴかっ――。
「うひっ!」
枕を抱えて、すっくと立ち上がる。
次の雷鳴が空気を振るわせて鳴り始めるやいなや、茜は隣の続き部屋の襖をガッと開けて駆け込んだ。