ブライト・ストーン~青き守りの石~【カラー挿絵あり】

いつもなら、こんな時はすぐに敬悟を呼んだ。


幼い時から、暗闇が無性に怖かった。


怖いと泣く幼い自分を、いつだって優しく包んでくれた、大好きな従兄。


繋いだ手の温もりが、いつだってそこにあった。 


でも――。


今は、頼れない。頼ってはいけない。


「でも、何だかあの時を、思い出すなぁ……」


初めての異変があったあの夜――。


赤鬼に変化した上総にペンダントを取られそうになって、飛ばされた青い闇。


あれは、ここではなかったか?


分からない。


あの時は、岩肌は見えなかったし、限りの無い空間のように感じた。あれ自体が、現実だったのか、夢だったのかもそれすら確信がなかった。 


と、行く先がほの明るくなって行く。


「うわぁ……。こんなトコも、あの時と一緒だぁ……」


これであの振動音が聞こえれば、そっくりそのままだ。でも行き着く先にいるのは、鬼部の惣領、自分の父親のはずだ。


母に似た鬼女……。そんなモノがいるはずない――。


茜は、震える手で母のペンダントをぎゅっと握った。 

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