放課後ハニー
下着のワイヤーにこつん、と指が当たった。
私の息が次第に荒くなる。
…触れられてしまう。
基哉がいなくなってから誰にも触れられていなかったのに
こんな卑劣な手で
触れられてしまう。
「なのに基哉先輩が亡くなってからも、先輩ずっと遅い時間に帰ってますよね…」
ワイヤーが掴まれ、強引に押し上げられた。
胸の膨らみが直に布地に触れたのがわかる。
…今まで漠然とあった恐怖がようやく確かなものに変わった。
怖い。怖い怖い、怖い。
「そうやって毎日感傷に浸ってる訳ですか?」
そして何よりも
悔しい…
「一体いつまで忘れないつもりですか?ずっとそうしてるつもりですか?」
反論する気も起きなかった。
事実を突き付けられた。ただそれだけのこと。
塞がれた口の中で、ぎりぎりと歯を食い縛る。
彼の手は容易く静かに、私の胸に、触れた。
「そんなのただ基哉先輩の影を追いかけ続けてるだけじゃないですか?」
触れられた瞬間、目尻から一筋涙が零れ落ちて
私は静かに目を閉じた。