想い出の中の虹
『ごめんね』










その人は何を謝っていたんだろう。

捨てた事に?

産んだ事に?

謝られた子供は一体……









「ごめんね、瞭くん。」


「ん?何が?」


「ううん。……何でもない。」


見上げる瞳が哀しそうに笑う。

繋いだ手が一瞬、消えそうで、慌ててぎゅっと繋ぎなおした。


自分を大嫌いだと確信した場所で、大好きだと必死に信じようとする。

公園と同じ様に、辛くて哀しい想いが溢れる場所は、幸せになるための大切な出発の場所でもある。

そうやって生きてきた。

そうやって、自分を必死に信じて生きてきた。

だから、俺がすべきことはたったひとつ。




たったひとつだけ。




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