想い出の中の虹
「おめでとう。美羽。誕生日、おめでとう。」


腕の中でゆっくりと見上げる瞳に、また、きらきらと光る涙があふれ始めた。


「この次の誕生日も、その次の誕生日も、一緒だから。ずっとずっと一緒だから。」


あふれ始めた涙は、ぽろぽろと雫となって転がり始める。

拭っても拭っても止まらない雫を見つめ、ただ、愛しくて。


そっと唇を落とす。


涙に濡れた唇は、ひんやりとして、小さな不安を俺に伝える。


だから、俺は、ゆっくりと温めながら、安心を送る。


深く繋がって行くほどに、熱くなる唇。


そして、二人の想い。


見下ろす月が照れてしまうくらいに熱い瞬間。











二人だけの大切な日。








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