意地悪な上司
外まで絲杉子先生が見送ってくれた
車の中でも速見さんは仕切りに絲杉子先生の話をしていた
゙聞きたくない゙
何度もそう思う
やっと絲杉子先生の話から解放されたのは会社に着いてから
速見さんはそのまま藍頼先生と次の授賞式に向かう
デスクに戻り絲杉子先生の新作のスケジュールをまとめていた
「すいません、水野さん」
綿貫……
たくさんの書類を持っていた
「向井先生の新作の件ですが」
「向井先生なら担当は速見さんです」
ここまではあくまでも仕事の話
今日7時に海岸ミールの本部に宜しくね
小声で言われた
「分かりました速見さんに伝えときます」
綿貫が来るときいつも窃盗の話だ
だから綿貫を見ると私は逃げ出したくなる――――