cieliste
6 4回目の中絶
それはある日、また夜中10時すぎに、私の家のチャイムが鳴った。

そのときは、なぜか、ユウカが来た、と直感した。

それはまさしくその通りで、いつかケータイの名義を貸して、と言いに来たときと同じく、ユウカは扉の前ではなく、ドアの横にはりつくようにいた。

ただ、あの時とは圧倒的に何かが違う。

ユウカは真っ赤な顔をして、ぼさぼさの髪で、Tシャツにゆるいパンツ、と寝るときのような格好でそこにいた。
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