ノワール・ナイト

「…!?」

「本当は…ずっと僕の所に居てほしかった…。」


耳にかかる熱い息にゾクッとする。

この人の動作は、いちいち私をドキドキさせる。


「今まで、1人の時間を与えないできた。
だから、誰にも気を使わないで居られるように用意したんだが…。」


そして、再び長く息を吐く。


「実際は…アルディス…君を閉じ込めて独占したいと思ってる…。」


甘い言葉を囁かれてもトキメキではなく、ただ虚無感に襲われる。


──…なんで貴方は、こんな言葉がスラスラと出てくるの?

他の女の子にも平気で云ってきたから?



──…私、嫉妬してる?

そう…ね。


認めるわ。

私、ギルを…ヴァンパイアの王子を好きになった。

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