ノワール・ナイト

「好きでもないのに…私なんか、貴方のただの餌なのに。

優しくなんかしないでよ!!」


私はギルを突き離そうとした。

けど…抵抗虚しく、逆に更に強く抱きしめられる。


「君は…、そんな風に思って僕の隣にいたのか?」

「だって…!!」


私が振り向くと同時に唇にギルの感触。

唇が離れて息を荒くする私にギルは言った。


「君を僕だけのモノにしたい。
…あぁ…もう!!

──…だから、君が好きだ!!」


顔を真っ赤にして言うギルが、どうしようもなく愛しかった。


私はギルの頬に手を伸ばし、軽くキスをした。


「いいのか?
…そんな事して…。」



私はベッドに押し倒された。

首に舌を這わせてきたから、吸血かと思った。


けど、そのまま胸の方に沿っていく。


「ぁン…やぁ…ギル、ストッ…プ…」


ギルは顔を上げて、私の耳元で囁く。


「アルディス…君が愛しい…」


私に彼を拒否する術はなかったの。

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