O.S.C
とことこ歩いて行くと、バス亭の前に着いた。

そこでバックから缶コーヒーを取り出し、飲んだ。

…すっかりぬるくなっていた。

間も無く、バスが到着した。

住宅街からも駅からも遠いこのバス亭から、乗客が乗ることはほとんどない。

それもそのハズ。

このバス亭は普通の人間が住む場所からは、隠れて作られたモノ。

だから乗るとすれば、普通ではない人間か、あるいは迷い込んだ人間だけだ。

そのバスに乗り、私は目的地を目指す。

30分ほど揺られると、景色も変わってくる。

山の中を走り、洞窟を通り、再び山の奥深くへ―。

しかし降り立った街は、至って平凡な所。

見た目だけ、はな。
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