O.S.C
「それじゃあ」

「あっ、はい」

少年と父親は私に軽く頭を下げ、車に乗り込んだ。

…これから向かう所は、決して楽しい所ではないだろうな。

「さて、私も行くか」

街中は通らず、土手沿いを歩く。

「んっ…?」

しかし何かの存在を感じて、土手に目を向ける。

ほんの一瞬、美しい少女を目にした。

見た目15・16ぐらいの美少女だが…すぐに消えてしまった。

土手は今、草木も枯れ、何の植物の息吹も感じない。

そう、今は…。

いずれ時期になれば、あの土の下から芽生えるのだろう。

美しくも禍々しい―死人花が。

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