最初で最後の兄貴

その日

いつものように
何気ない会話をしてた
何気ない会話でも
龍兄となら
楽しかった

俺の過去の話になった
全てさらけ出した
中1で
まだ未熟な俺は
涙をこらえ切れなかった…

そんな俺を龍兄は
肉まんを食いながら
頭を撫でてくれた

肉まんって余計だけど
嬉しかった

肉まんを分けてくれた

何気ない気配りが出来る男だったんだと思った


そして帰ろうとして

いつもみたいに

「じゃあな」って

バイバイした

そして俺は
寄り道気分で
一人
暗い路地を歩いて行った…


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