彼女はいなくなった



 彼女もまた、熱帯魚を飼っていた。
 名前は忘れたが、不思議な色の魚だった。




 その大きな水槽は、可愛らしいピンク色の部屋には不釣り合いで、彼女の部屋に行く度に僕は「似合わない」と文句を言っていた。





 するとすかさず、彼女は口を尖らせて「魚の泳ぐ姿は癒やしなの!」と返してくるんだ。




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