女子DEATHヒーロー
1.あたしにとっては晴天丸じゃなくて曇天丸学園

入学式

「はぁ。はぁー。あーあ」

 あたしは大きな門の前で盛大なため息をついた。

 幸せが逃げていく……。

 アディオス、幸せ。
 グッバイ、平穏な日々……。
 ハロー、曇天丸学園。間違えた。晴天丸学園。


 四月。


 桜が咲き乱れる中、あたしは入学式を迎えた。
 新しいあたしのドキドキわくわくのスクールライフ!……この学園じゃなかったらそう思ってただろうね。

 ……この時が来るのをどれだけ待ち遠しく思わなかったか!
 むしろ、来なければいいのにって思ってたよ。
 何がイヤって……この学園にあたしの理想は無い。
 学校帰りに友達とどこかに遊びに行くとか……全寮制だから出来ないじゃん!
 それに、女の子少ないとか……女友達100人できるかな?計画が実行出来ないよ!

 あたしはカバンを振り上げて投げようとしたけど止めた。もしかしたら割れ物入ってるかもしれないし。
 カバンを肩にかけ直すと、辺りを見回した。

 晴天丸学園……さすがは金持ち学校。
 門の大きさもだけど、校舎も大きい。敷地も広い。無駄な彫刻がたくさんある!

 ……住む世界が違いすぎる。

 目眩がしそう……。
 目眩で倒れて家に帰りたい。
 今すぐあたしの意識を飛ばして……。

「何やってんだよ」

 あたしが頭を抱えていると、後ろから声が聞こえた。
「央太……。良かったら……サンドバックになって?」
 あたしが拳を鳴らしながら笑顔で近付くと、央太は後ろへ下がっていく。

「そのナリで言われるとビミョーだから!」

 顔をひきつらせながら言う央太に、あたしは納得して引き下がった。

 そう、あたしは……金髪を封印した。正確には、中学と同じようにウィッグかぶってるんだけど。
 黒染めしたいけど、いつ兄2人に会うか分からないから出来ない。あたしの髪は兄に今でも定期的に染められてたりするんだよね(泣)
 もうヤンキー卒業したんだからあたしの髪も染める必要無いのに!
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