女子DEATHヒーロー
「で、どうすんだ?」
 希夜さんの言葉に、あたしは思い出した。今夜のあたしの寝場所!
「……泊めてやろうか?」
「や、遠慮します」
 拓兄は嫌だから。燿兄を見ると、首を横に振った。燿兄ー!

「燿兄お願い!」
 そう言えば、教師も学生寮に隣接した教員寮にいるらしい。そこに生徒が入るのはまずい……のかな。
「絢、俺が泊めてやる」
「や、拓兄は……」
「あぁ?」
「え、遠慮したいかなぁ」

 この3人の中で一番信用ならないし!
「ま、教師の部屋から生徒が出てきたらどう思うだろうな」
 希夜さんがすごいニヤニヤしながら言った。それであたしがあたふたする姿がみたいみたいな?相変わらず黒い人だ。この3人の中では一番信頼できるけど!

「それは希夜も一緒だろ」
 確かに。希夜さんの部屋から出ても、それを見た人がどう思うかだよね。うん、希夜さんって百戦錬磨な雰囲気漂ってるし。
「お前の部屋から女か女紛いが出てきてもまたかって思われるだけだろ」
 希夜さんは笑った。否定しないんだ。ん?待って、おかしくない?
 拓兄の言葉にあたしはよく思案してから衝撃を受けた。フツーだったら驚かない。けど、ここの制度的におかしくない?

「みんな親衛隊入ってるんじゃ……」
「あー……別に入るだけでそいつだけのモノでもないから」
「ついでに、希夜は今の葉月哉の立場にいたしね」
 まさかのカミングアウトにあたしが驚いて希夜さんを見ると、希夜さんは苦笑した。
 まぁ、希夜さんならわかる。そんな感じはするけど、希夜さんって……。
「馴れ合い嫌いだと思ってた」
 だって、どこにも入らずに拓兄たちと居たんだもん。

「仕方なく一年だけやってたんだよ。二年になってからはあいつに押しつけたけどな」
 へぇ……。押しつけ合いなんだ……ヤン長って。
「俺だったら入ったか?」
 あたしはははっと笑った。多分余計に入らないと思う。だってさ、知り合いの親衛隊って。……でも、佳奈子お嬢様は生徒会長の親衛隊か。……無いだろうけど。あの行為はないだろうね。
 あたしと希夜さんって微妙な関係だからさ、きょうだいなら入るけどさ!
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