君に染まる(前編)
せっかく昼休みまで
平和に過ごしてきたんだから、
出来れば会いたくないんだけど…。
それに、なんかイライラしてるし、
今近づいたらとばっちり受けそう。
でも、ファイル持っていかなきゃだし…。
立ち止まって困り果てていると、
獅堂先輩が急にこっちを向いた。
そして目が合った瞬間、
「ごらあ!!百瀬未央!!!!」
廊下に…
いや、学校中に響き渡るほどの
大きな声で叫んできた。
体がびくっと反応する。
「遅ぇんだよ!!早くこっち来い!!」
座ってる机をバンバン叩く先輩に
びびりながらもゆっくり近づいた。
遅いって…まさかあたしを待ってたの?
…何されるんだろう。
すっごいキレてるし…殴られるんじゃ…。
「ちんたらしてんじゃねぇよ!
走って来い!!!」
「は、はい!!」
慌てて走っていくと、
「なんで遅れた?」
先輩のとこについた瞬間
腕を引っ張られこんな質問。