君に染まる(前編)
にやっと笑いながらあたしを指さした。
「へ…変なこと言わないでください!」
「だって本当のことだろ?
昨日だって赤くなってたし」
「あれは………」
言葉をつまらせた時、
「未央ちゃん、本当?」
植野先輩があたしに尋ねてきた。
植野先輩に視線をうつす。
「…え?」
「惚れてるって…本当?」
「あ…いや………」
思わずうつむいた。
どうしよう…なんて言えば…。
恥ずかしさと混乱の中、
今にもここから逃げ出したいと
そう思った時、
目の前に携帯が現れた。
顔をあげると植野先輩が微笑んでる。
「番号教えてよ」
「え……あ…は、はい!」
戸惑いながらも
携帯を取り出して赤外線を交わした。
「そうだ…日曜ひま?」