不器用な指先
ドクッ
ドクッ
ドクッ
こんなにもはっきりと、自分の心臓の音が聞こえたことはなかったかもしれない。
全身の力が抜けて、込み上げるもので身体が震え出す。
私を支配しているものは、
ただ罪と恐怖だけだった。
透の声の途中で響いた、耳をつんざく
クラクション。
タイヤがアスファルトを擦り、悲鳴を上げる。
何かと何かがぶつかる音
透とトラックがぶつかる音
透の命が 奪われる音
そして
女性の叫び声がして
透の携帯は地面にたたき付けられ
最期はもう
雑音しか
聞こえなかった。

