少女王子さま 〜田舎娘に小鳥のワルツを〜

「じゃあ、後29冊も、今夜中に読んでおけよ。」

「えっ、うそ!」

「何が嘘だよ、明日は立ち振舞いの勉強だぞ。」

「無理だよいまからこれ全部だなんて!」

「一回引き受けたことだろ。おまえがやるのは第二王子の身代わりだぞ。中途半端でやりきれると思うな。」

「そんな………」

なんか、以外と悪い奴ではないかもしれないな、とちょっとだけ思ったのは撤回だ。

そのまま出ていく後ろ姿にミミは、結局少年が何をしにここへやって来たのか、とうとう寝る時になっても分からないままであった。


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