~Snow White~『ニ巻』
三者懇談の日


利香は一番最後の時間に入れて
もらった。
一度部屋にもどって再登校

母はギリギリになるから
学校にまっすぐに来ると言った。


今日は久しぶりに母と話せる
辛い話しだけど
利香が就職すれば母と二人で
この土地で暮らそうと
言うつもりだった。


時間になっても母は現れない。
先生が

「いいよ、気にするな。
遠いとこから来るんだし、天気も
あまりよくないから
遅れてるのかもな。
それで最後にしたんだから・・・・
とにかく座れ。」


先生の前に座った。


「でさ、なんで就職なんだ?」


「いろいろあるんです。
私なら学校からあっせんして
もらえますよね?」


「大槻の学力と生活態度なら
どこに出しても恥ずかしくないけど
もったいないな。
大柴と一緒にH大受ければいいのに。
あいつに言ってないんだろ?
浅野先生に、『利香と勉強するとはかどる』って
自慢してたみたいだぞ。」


胸が痛かった。


「自分で言うから
まだ言わないで、先生」


ドアがノックされた。
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