手のひらの終焉
リャウカはテントには入らずに、火の方へ向かった。
 
酔っ払ってご機嫌のリャウドの傍へそっと近づいた。

「リャウド、マモウルがさらわれた。

ジープで逃走したんだ。

後を追いたいから一緒に来て」

リャウドはご機嫌な声をあげて、酔っ払い連中と一緒に騒いだ。
 
駄目か。
 

思っていると、リャウドはすっとその場を抜けて、

リャウカの腕を掴むと、みんなの眼の届かないところへ来た。

「マモウルがさらわれたって?」
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