手のひらの終焉
多分、自分も、アモーレと、

同じ表情をしているんだろうな。

リャウカは思った。
 
身が引き裂かれるような、心がひりひりと痛むような、

表現しがたい切なさに襲われる。
 
けれど、

これにのまれていてはいけないのだ。

あたしは、マモウルを助けなきゃいけない。

自分の感情を大事にすることを、許される人間じゃないのだ。

「行こう」
 
言ってリャウドは歩き出した。
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