手のひらの終焉
自然に出来たものなのか、人力で掘り起こしたものかは知らないが、

人力だとしたら、えらい組織力ということになる。

それとも、機械を使って掘ったのか。

それだって、機械を動かす燃料を手にしていることになるし、

ちょっとやそっとの弱小組織ではないことになる。
 
それにしては、やり方が小さい。
 
何か、胡散臭さを感じる。
 
どっちにしろ、ここまで導いてくれたリャウドを

巻き込むわけにはいかない。
 
砂に身を這わせ、窪地の中を、覗き込んでいるリャウドの首筋を見た。
 
持っているのは、針に仕込んだしびれ薬だけだ。

そんなのを刺したら、肝心なところで動くことが出来ずに、

逃げ遅れることになるかもしれない。

 ここは少々手荒な方法を選んだ方がいいだろう。
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