手のひらの終焉
中では何人もが転がって雑魚寝をしている。
 
リャウカが乱入したことに気付くと、

中にいた連中はわらわらと頭を上げた。

そしてリャウカを見ると、すぐに正気になり、

体を起こして銃を構えようとした。
 
数は、十前後。
 
リャウカはガラスのカプセルを口の中でカリンと砕いた。
 
中から舌を刺激する液体がとろりとあふれ出した。
 
それを、霧状に、テントの中へ向かって吐き出す。
 
男たちは、銃を構えようとしたまま、体をひくつかせて、のけぞった。
 
そしてそのまま、ばたばたと、声なく静かに倒れていく。

リャウカは神経ガスを撒き散らしたのだ。
 
しばらくは自由に動けないハズだ。
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