手のひらの終焉
即効性はあるが、回復が早く、後に障害を残さないため、

組織としては、失敗策な薬品だったらしい。

薬品保管庫へ行くまでもなく、使ったものを、

手入れされるまで放り込んでおく武器庫の棚に、

褐色の薬瓶に入ったこれが置かれてあった。

リャウカでも比較的自由に入れる場所だったため、

簡単に頂いてくることが出来た。
 
リャウカは舌に残るしびれた感じを拭い去るために、

もう一度血と唾を吐き出した。
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