手のひらの終焉
下手に動くとトラップに引っかかって、命を落としかねない。
 
リャウカはしばらく砂に伏せていた。
 
帰りたかった。
 
こんなことは初めてだ。

 帰れば、暖かいものがリャウカを待っている。

人間的な、グループのメンバー達。

それに、あそこにはアモーレがいる。
 
砂の中に顔をうずめた。
 
まだひんやりともしていない。

昼間の太陽の熱を一杯に吸い込んだ砂は、生暖かい。

それともリャウカの体温が砂を暖めたのかもしれない。
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