手のひらの終焉
分かったからといって、迂闊に動けないということが

はっきりしただけだ。
 
それでも、リャウカは悪あがきしてみることにした。
 
ツカツカとカーテンに歩み寄る。
 
当然、ノインは撃ってきた。
 
けれど、リャウカだって能力者だ。

弾を避けることなんて、大した大技でもない。

ただ、カーテン越しに撃ってこられるのが嫌だった。

弾道を読むのにわずかの時間しか与えられない。

弾を込める微かな音がした。

ノインのいる大体の位置がそれで分かった。
 
ただ、残念ながら、こっちは普通の銃を持っていない。
 
あるのはナイフと・・・

右手にナイフを持ったまま、左手に、針の入った銃を持った。

この銃だけ。
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