手のひらの終焉

霧と針

けれど、コレを撃つにはカーテンが邪魔だ。

針は、銃の弾のようにこの分厚いカーテンを貫通しない。

リャウカは撃たれるのを覚悟の上でカーテンにつかつかと歩み寄った。

頬の横すれすれに弾が飛んで行った。

リャウカはカーテンを思い切り引きあけた。

それと同時に、視界いっぱいに白い幕が張られてあるのが分かった。
 
霧、だった。
 
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