手のひらの終焉
リャウカのようなニンゲンをあっさりと受け入れるような人達では、

この世界は生き延びていけない。


まあ、この程度であたしのことを充分に警戒できている

と思ってる甘さが怖いけど。


リャウカはそれは黙っておくことにした。

「そうか、なら、良かった」

スクセが言った突端、

テントの中から、三人の到着を嗅ぎつけた仲間の男が二人、顔を出した。

同じくらい長身で、ガタイのいい二人。

「ヤクラとマイナーだ。

二人とも、美人の仲間が加わることを知って、

目の色を変えて待ちわびていた奴らだ」

リャウカを見るなり、二人とも、涎をたらしそうな勢いの顔になっていた。

が、リャウカがライフルを持っているのを見ると、

セクハラ行為に及ぶのは、思いとどまったようだ。

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