手のひらの終焉
「その前に、中には女癖の悪いのもいるから気を付けて。

それを承知で、あんたには、男の方のテントに

泊まってもらわなくちゃいけないんだけど」

「へえ」

「とりあえず、だけど。

まだ、みんながあんたのこと、信用した訳じゃないから」

「あたしは、まだ仲間として認められていない訳か」

「えと、それは・・・」

「あ、言いつくろわなくていいから。・・・わかってる」

その程度のことは気分を害することではない。

身構えられて当然の存在なのは彼女は自覚していた。
 
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