Honey Love
「最高の夏休みだよ」
部屋の窓から真っ赤な花火が打ち上がるのが見える。
凜久とふたりだけの夏休み。
賑やかな音楽、おいしそうな屋台の香り。
お祭りの雰囲気をすぐそばで感じながら、凜久とふたり肩を並べて空へと酔いしれる。
「瑠璃」
「え、?」
「着崩れて来てない?」
帯が緩すぎたのか、気が付けば胸元が大きく開いてしまっている。
「誘ってんの?」
「ち、ちが……っ」
――んん……っ!
鎖骨をなぞる細い指。
耳元で囁く低音ボイス。
安心する凜久の香り。
反転した世界から降り注ぐ光の粒は、キラキラとこの部屋まで落ちてきそう。
「何やってるの?」
帯を抜き取る凜久はそのままに、窓に向かって手を伸ばす。
「取れそう。花火のひかり」
「可愛い過ぎ」
甘い雰囲気がチラつき始めた刹那これをブチ壊す人物が、すぐそこに。
「おみやげ~!」
陽気な声と、遠慮を知らないドタドタと階段を上ってくる大きな音たち。
今だけは……
少しだけ……でいい。
夜空を照らすカラフルな光の中、凜久とふたりだけの世界を……
「好き、凜久」
感じさせていて――?
