俺のためにベルは鳴る
「ってことで…俺、ちょっくら行ってくるわ。」



「………」



「お前はしっかりデート楽しんで来いよ。」



「………」



俯いたまま黙り込む親友の肩をポンっと叩き、



御神木の裏から鳥居へとゆっくりと足を進めた俺は、



大丈夫…



ヤツは居ない。



どこにも、居ない。



絶対、居ない。



手に汗握りながら、鳥居の下に立った。



「よしっ。」



そして、ターゲット…賽銭箱を見据え、



俺はやれる。



絶対、やれる。



俺は出来る子。



やれは出来る子。



ココロの中で自ら暗示をかけながら、



何度も何度も大きく深呼吸した…



瞬間、



「お前ならいけるっ!!絶対、いけるっ!!」



「えっ…」



突然、後ろからポンッと肩を叩かれた俺は、まさかと思いながら、勢いよく後ろを振り返った。

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