Rain
『元気そやなぁ、風邪も完全復活やん』

『あ、うん』



・・・。



『てか二週間ぶりやんなぁ』

『そうやね…』





なんとなくぎこちない。

会話が前に進まない。




会いたくなかった。


会いたくて会いたくてしょうがなかったから…





それなのにまたこうして偶然会ってしまう。






『…』



言葉が見つからない。


何を話していいのか分からなかった。





『どーしたん?元気ないやん。何かあった?』


聖夜くんはあたしを見てそう聞いた。




何かあった?じゃないでしょ。

あたしのため息の原因はあなたなんですけど…






『全然、疲れてるだけやで。大丈夫』

『そっか』





でた…
あたしの“大丈夫”。


そう、大丈夫はあたしの口癖みたいなものだった。




大丈夫と思えば大丈夫になってきたし…。













二週間ぶりに会った聖夜くんをあたしは違う目で見た。


決めた。



こんな彼女もちの男…








─絶対好きにならない─
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