Rain

カルテ

翌日、あたし達は少し早起きしてお父さんに言われた場所を聖夜に説明しながら指定されていた時間に着くように車で向かった。

あたしのお父さんはお医者さんで、
それも大学病院でも敏腕な医師だった。





『あ、ここや』

『めっちゃでかいやん…親父さん凄いとこの医者やねんな』





あたしにはあまり記憶がない。

医者である父とは小学生の頃に離れ離れになっていたし、
凄いとは知っていたけどまさかこんなに大きな病院で敏腕医師と言われてるなんてことは信じられなかった。





『知香!こっちや』


聖夜と病院の入り口を入った時、すぐに声が聞こえた。


懐かしい…声。

そこには少し年をとった気がするお父さんが立っていた。





『あ、君…あれ?聖夜くんじゃないんか』

『ハ、ハイ』



気まずい空気が…張りつめた。



『何で知香と一緒…え?まさか…違うよな?』


お父さんは明らかに動揺していた。



『そっ。そういうこと。血は争えんってこうゆうことなんかな。でも聖夜はお父さんとは違うから。今はあたしとちゃんと付き合ってるし』

『そうか…』


お父さんの顔色は一気に引いていた。
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