Rain
第6章

命の重み

『あの…妊娠検査薬ってありますか?』


生まれて初めて買った妊娠検査薬。

変なドキドキがあった。



急いで家に帰り、すぐに試してみることにした。


説明書には一分で分かると書いていたけど、実際はもっと早かったかもしれない。





『あっ…』


判定窓と終了窓にラインが一本ずつ浮き出ていた。

両方にラインが出ると、陽性反応の判定だった。



うそ……



なんだか複雑な心境だった。


嬉しい気持ちと困った気持ちが混ざったような感じ。



こんなんじゃ検査どころじゃない…

どうしよう…。





あたしはその日、仕事を休んで病院に行った。


産婦人科は、生まれて初めてだった。


中には
たくさん女の人がいた。

その人達は、
みんな優しい穏やかな顔をしていた。
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