Rain
『あの子…は?』

『あ、あぁ…あれから落ち着いて病院連れ戻した。看護婦さん真っ青やったわ。なんか病状悪化してるみたいやから無菌室入れられるみたいやで』




無菌室?

あ…
ビニールとかで覆われてるような部屋のこと?



『あたしがヒドいこと言ったから…』

『違う、大丈夫やって。知香もしんどい思いしてんから。流産した痛みも俺には分かってあげることできひんし…ごめんな』



聖夜はあたしの髪を撫でながらそう言った。




聖夜の優しいところが
好きだった。


でも───


聖夜の優しいところが
嫌いだった。




優しさって時には人を傷つけるんだよ…。
< 255 / 282 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop