Rain
『歩きすぎたなぁ。大丈夫?知香ちゃんは』


『ん?全然よゆぅー☆』



本当に余裕だった。

歩き疲れてても聖夜くんといたら自然とずっと笑ってられた。




ご飯食べながらも目尻にしわ作って聖夜くんもずっと笑ってた。




笑うとなくなる目、いつしかあたしそんな笑い顔が頭から離れんようになってた。




『知香ちゃんはいい子やわほんま。めっちゃいい女なると思うで。浮気した男すぐ捨てるぐらいやもん』



聖夜くんはあたしにそう言ってくれた。






“いい子”


なぁ…

あたし全然いい子なんかじゃないよ?


ただまっすぐすぎるだけ。


筋を通したいだけ。


自分の生き方に。
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