Rain
『知香?顔赤いけど大丈夫?あんた熱あるんちゃうの?こっちおいで』




あたしにそう言っておでこに手をあててきたのはショップの店長だった。




『あ、ほらぁ。これは完璧熱やん』

『大丈夫ですよ』

『何言ってんの。前も大丈夫ゆうて急に倒れちゃったやんか。体が基本やで?しんどかったらしんどい言いなさい』

『ちょっと…てゆうか…結構しんどいかも…です』

『今日早退していいよ。今日は私も丸々お店いてるから。ゆっくり寝て早く治してきぃ。なっ?わかった?』




浅田店長、26歳。
あたしがこのショップで働き始めた頃からずっとこんな感じでよくしてもらってきた。





『すいません…ありがとうございます。お先に失礼します』




あたしは早退することになり、お店を出た。



あぁ…しんどい。
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