Rain
ちょっと待ってょ…
えーっ!?
マジで聖夜くん?
動揺しながらもあたしはインターホンの受話器を手に取った。





『ハ…イ』

『ストーカーですけど』


『…』

『知香ちゃん?お見舞い来たで』

『えっ…あっ…とりあえず開けるね』






ありえへん…だって今日は…と思った時、あたしは気付いた。

“雨”の音に。



梅雨特有の不天候。多分天気が崩れたんだ。

だからか…
予定なくなったんだ聖夜くん?


お見舞いなんて言い訳だよね。
ただの寂しさの穴埋め。







(ピーンポーン)


うわっ…
来ちゃった…

どうしよう…
そう思いながらゆっくりドアを開けた。
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