朝陽のもっと向こう側
祐司と歌姫
翌日。
東都病院内、診察室。

真智「相変わらず忙しそうね」

??「まぁな。 そっちも頑張ってるみたいじゃないか。 名医だって評判だぞ?」

真智「そんなのは、周りが勝手に言っているだけだから」

??「なら、俺も同じだと思うけどな」

真智「それより、いつまで通院するつもり? もう必要ないと思うけど」

??「その点はお前にも圭悟にも感謝しているよ。 ありがとう」

真智「あんたが私にお礼を言うなんて珍しいこともあるものね」

??「素直に言えるってことはいいことだって思っただけだ」

真智「はぁ・・・今日は美緒のところに寄っていかないの?」

??「さっき行ってきた。 相変わらず元気だったな」

真智「え? 元気だった?」

??「ん? どうしたんだ?」

真智「あぁ、何でもない」

??「じゃあ、そろそろ帰るよ」

真智「え・・・? 圭悟たちに会っていかないの?」

??「あいつも忙しいだろ。 また今度でいいさ」

真智「そう。 時間があれば、またあんたの家に真琴と一緒に行くわ」

??「あぁ、待っている」

真智「それと、時間があるとき、気が向いたときだけでもいいから、美緒のところにも行ってくれるかな・・・?
  あんたの存在は、あの娘にとってすごく大きなものだから」

??「そうなのか? わかった。 また今度来るよ」

真智「あ・・・そうだ! そういえばあんたってさ・・・」

??「ん? まだ何かあったか?」

真智「あ・・・うぅん、何でもない。 気をつけて帰れよ~」

・・・

・・・
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