朝陽のもっと向こう側
小さなバースデイ
東都病院屋上。

あゆむ「・・・」

メグは先生に呼ばれて、まだ学校に残っている。
昨日のことがあったにせよ、病室に行って何を話せばいいのだろう。
そう思った僕は、無意識のうちに屋上に来ていた。

あゆむ「はぁ・・・」

深いため息を吐くのとほぼ同時に屋上のドアが開いた。

女の人。
白衣を来た人、医者だった。

真智「君も休憩中?」

あゆむ「え?」

その人は一直線にこちらに歩いてきてそう言った。

真智「こう忙しいとゆっくり休む時間もないからねぇ・・・肩がこるわ」

両手をうえに上げて欠伸をしている。

あゆむ「・・・」

真智「おっ、いいもの持っているね」

あゆむ「え? ・・・あ」

その人は僕が手に持っていたジュースを取り、
一気に口の中に流し込んだ。

真智「はい、ありがと。 捨てておいてね」

あゆむ「あの・・・」

真智「あ、そうそう。 君が今ここにいるのは正解。 あと30分くらいしたら病室に行ってね、白石君」

あゆむ「・・・!?」

そのまま屋上を出て行った。

なんだったんだろう。
僕のことを知っていたけど、美緒に聞いたのかな・・・?

じゃあ、あの人は美緒の先生?

じゃあ、あの人が・・・小泉真智・・・

・・・

・・・
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