my name
「な、ないよ!そんなことない!准一は美衣と付き合ってるんだよ!?」
「ふーん。じゃあアレだ。好きだったけど、諦めようって自分に言い聞かせてるんだ」
「え…。」
確かにあたしは准一のこと好きだった。
小学生の頃からずっと。
でも男の子と友達以上の関係になるのが怖くて。
女友達にも准一のこと好きなんて言えなくて。
准一とはずっと友達のままでいた。
高校に入るとあたし達は美衣と友達になった。
可愛くて、明るくてあたしも美衣のこと大好き。
だから准一と美衣が付き合い始めた時は、
そりゃ美衣にヤキモチも妬いたけど、お似合いだし応援しようって思った。
今は全然普通だし。
好きなんて気持ち、もうない。
そう思ってたのに…。
あたし准一のこと目で追ってたかな…。
「当たったでしょ」
「……。」
すると赤木君が自転車を漕ぐのをやめた。
「降りて。」
あたしが自転車から降りると
赤木君も降りてあたしのほうに向いた。
「山下達にバラされたくなかったら、
俺の言うこと聞け」
思わずその場に立ち尽くした。