my name
そして朝のように二人乗りで帰ることになってしまった。
帰りはもう道分かるし、免れるかと思ってたのに。
甘かった。
しかも赤木君自転車ないから徒歩は可哀想じゃんね。
うん。あたしいい人だな。
そういえば結構距離来たけど、赤木君喋ってこないな。
あれ?意識しだしたらなんか気まずい…。
でもあたしから話し掛けられないよー。
どうしよう。
なんか話す話題あったっけ。
うーん…。
………。
まいっかぁ。話さないなら、話さなくても。
「…廣瀬さんさぁ」
「あっはい!?」
びっくりしたぁ。
「山下のこと好きでしょ」
「え!?」
『山下』は准一の名字。
「いつも山下のこと目で追ってるでしょ?」
何?何言ってるの!?