my name



「はいどうぞ!」

「そこ置いといて」

赤木君はベッドに転がり、お姉ちゃんの漫画を読んでいた。


はあ?ありがとうって言えー!

机の上にコップを置いてさっさと部屋から出ようとすると。

「おい」

と呼び止められた。



「お前分かってんの?反抗してもバラすかんな」

「はい…」

赤木君ってやっぱりやなヤツ。



「お前何で学校でヒロって呼ばれてんの?」

赤木君が漫画を閉じてベッドに座り直して、こっちを見た。


「え、下の名前で呼ばれるの苦手だから…」

「ふーん。親に呼ばれるのは平気なのに?」

「親は小さい頃からだし…」

「あぁ。じゃあ俺も空でいいか」

赤木君の口から『空』と聞いた瞬間寒気が走った。

今あたし苦手って言った!


「い、嫌がらせもするの?」

「俺がそう呼びたいから呼ぶんじゃん」

「で、出来れば違う呼び方で…」

「やだ。俺のことは亮佑でいいからさっ」

赤木君の呼び方なんてどうでもいいんだよ。

やだってどういうこと!?


「はい!亮佑って呼んでみ?」

「え…。りょ、りょうす…け」


そしてなんで呼ばされてる!?









< 21 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop