my name



「ここかな?」


あたしは購買のものすごい混雑の中、2人分のパンと飲み物を買って、
C棟3階の空き教室の前に立った。



恐る恐るドアを開けて、教室の中を確認する。


窓際真ん中の机の上に座って、
両手を後ろに付き、空を眺めている赤木君がいた。



あたしが来たことに気付いてこっちを向いた。

「遅え」

「あ、ごめん。凄い混んでて」


あたしはギリギリの状態で持っていたパンと飲み物を机の上に置いて、赤木君の後ろの席に座った。

赤木君も椅子に座り直してパンを物色し始めた。


「メロンパンは?」

あ!!そうだ。売り切れてたんだ。

「な、なかった…。代わりにクリームパン買って来たけど…」

2個じゃ足りないかと思って違うの買って来たけどダメだったかな。


「俺のメロンパン…」

お、怒った?

「ごめんね。クリームパンいらないならあたし食べるし」

「いらないなんて言ってねーし」

「うん…」

怒ってはないのかな?

とりあえず食べてくれるんだ。

買って来て良かった。

って!何であたし赤木君の機嫌伺ってんの!?

いきなり買って来いとか言う人が悪いのに。



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