my name
「早くみんなで出迎え!」
そう言ってパパが勢い良く立ち上がった。
って、ちょっと待ってよ!
あたしまだパジャマ!!
「空(ソラ)、早く!」
「えー!」
少し抵抗したけれど上機嫌のパパに腕を掴まれ、3人揃って玄関へ。
どうしよう…。
どうか小学生の可愛い男の子でありますように。
ママはパパに文句を言わないあたり、どうやら友達の息子を預かるのに反対ではないらしい。
むしろウキウキしている様に見える。
「はーい」といつもより高いトーンでママが玄関のドアを開ける。
「はじめまして!」
爽やかな挨拶で大きな鞄一つ持って入って来た『友達の息子』。
「良く来たね。迷わなかったかい?」
「はい!」
あたしはパパとその友達の息子との会話が耳に入って来ない程、その息子を凝視した。
小学生の可愛い男の子なんてどころじゃない…。
あたしの視線に気が付いたのか、その男の子がこっちを見て微笑んだ。
「赤木亮佑(アカギリョウスケ)君だ。確か空と同じ高校だったっけ?」
パパ…。
同じ高校どころじゃないよ……。
同じクラスだよぉー!!!