my name
「僕アメリカ行く!」
え?
蒼太が予想もしていなかったことを言った。
「何で?!」
「楽しそうじゃない?アメリカ。それに僕海外って初めてー」
俺だって行ったことねーよ。
「でしょー。亮くんも行こうよ」
母さんが目を輝かせて俺を見た。
蒼太も行くなら俺も行かなきゃダメかも…。
俺は助けを求めるように、父さんを見た。
父さんと目が合い、また苦笑いをされた。
「母さん…。廣瀬のところで亮佑だけ頼んでみようか」
廣瀬…。
「悪いわよ。そんなの」
「でもなぁ、じいさん家も遠いし。廣瀬ならきっと引き受けてくれると思うんだ」
廣瀬って人は確か父さんの古くからの友人だ。
「お願いします!」
俺は目の前で両手を合わせ、頭をさげた。
「うーん。じゃあ廣瀬さんがいいって言ってくれたらね?」
「まじ!?」
「ダメだったら亮くんもアメリカだからね」
「わかってます!」
というわけで、数日後廣瀬家から承諾を得て俺は居候することになった。
空港で3人を見送り、その足で廣瀬家へ向かった。
廣瀬空のいる家へ。