my name




「僕アメリカ行く!」

え?

蒼太が予想もしていなかったことを言った。


「何で?!」

「楽しそうじゃない?アメリカ。それに僕海外って初めてー」

俺だって行ったことねーよ。


「でしょー。亮くんも行こうよ」


母さんが目を輝かせて俺を見た。


蒼太も行くなら俺も行かなきゃダメかも…。


俺は助けを求めるように、父さんを見た。

父さんと目が合い、また苦笑いをされた。



「母さん…。廣瀬のところで亮佑だけ頼んでみようか」

廣瀬…。


「悪いわよ。そんなの」

「でもなぁ、じいさん家も遠いし。廣瀬ならきっと引き受けてくれると思うんだ」


廣瀬って人は確か父さんの古くからの友人だ。


「お願いします!」

俺は目の前で両手を合わせ、頭をさげた。


「うーん。じゃあ廣瀬さんがいいって言ってくれたらね?」

「まじ!?」

「ダメだったら亮くんもアメリカだからね」

「わかってます!」




というわけで、数日後廣瀬家から承諾を得て俺は居候することになった。



空港で3人を見送り、その足で廣瀬家へ向かった。



廣瀬空のいる家へ。










< 8 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop