二度目の初恋。
♯prologue
見えるのは小さな丸い窓。

その窓の向こうには青空が広がっている。

青空には虹ひとつ。

私の隣に座ってるのは男の子。

顔はよく見えない。

けど、きっと優しい顔をしていると思うの。

たぶん私が彼に向かって言うの。


『…綺麗だね。』

『…うん。』


会話はただそれだけ。







いつもここで目が覚める。

そう私は夢を見ていたから。

もう何度同じ夢を見ただろう。

数も忘れるくらい何度も。



雑誌か何かで…『夢』は記憶の整理整頓だって聞いたことがある。

なら、この夢も私の記憶なの?

整理したくても出来ないから何回も同じ夢を見るのかな。


私の胸にぽっかり空いた空洞には何が埋まるんだろう。



誰か教えてください。



私が何者で、
何を欲しているのか。

私が何を、
誰を忘れているのか。


私はワタシなのでしょうか。





夢を見た朝は必ず、涙がこぼれてくるの。
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